2023-12-07
親が亡くなり土地や建物を相続したら、不動産の名義を親から子どもへ変更する「相続登記」が必要です。
相続登記の際には数万円の費用がかかりますが、確定申告時に経費として計上できるのでしょうか。
この記事では、相続登記の概要や相続登記費用を経費とする際の注意点などを解説します。
大阪府大阪市東住吉区で不動産を相続するご予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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はじめに、相続登記の概要から解説します。
相続登記とは、被相続人(故人)の不動産を相続した際に、名義を相続人に変更する手続きのことです。
不動産の所在地や名義などは登記簿に記載されており、法務局で登記簿を取得すれば、誰が所有者なのかが分かります。
不動産の所有者が亡くなると、所有権は相続人に引き継がれるため、相続登記をして登記簿に記載されている名義人を変更しなければなりません。
登記簿の名義が自動的に変更されることはないので、相続登記をしない限り、不動産の名義は被相続人のままとなってしまいます。
相続登記をしないと、不動産の名義は故人のままなので、本当の所有者がわかりません。
この状態で何世代も相続が続くと「所有者不明土地」となり、多くの方に迷惑をかけることになります。
所有者不明土地とは、登記簿を確認しても所有者がわからず、特定できても所有者の所在がわからない土地のことです。
土地の所有者がわからないと、不動産の取引や利用に大きな支障をきたします。
たとえば不動産を売却したり、担保にして融資を受けたりするのは、基本的に名義人しかおこなえません。
所有者不明土地になってしまうと、売却や活用しようにもできず、さらに放置されるという悪循環に陥ります。
また、所有者不明土地のほとんどが管理されておらず、周辺の環境や治安を悪化させて周辺住民に不安を与える原因となります。
このような事態を回避するには、不動産を相続したら必ず登記をおこない、次世代に引き継いでいくことが大切です。
そもそもなぜ相続登記をせずに放置する方が多かったのかというと、相続登記は任意の手続きであり、申請期限や罰則なども設けられていないためです。
登記手続きには費用や手間がかかることから「義務ではないし登記しなくても良いだろう」と考える方が多く、後回しにされてきたのでしょう。
その結果、日本では相続登記の未了による所有者不明土地が増加しており、大きな社会問題となっています。
このような問題を解消するために、政府は2024年から相続登記を義務化することを決定しました。
土地や建物などの不動産を取得した相続人は、3年以内に相続登記をおこなわなければなりません。
正当な理由なく期限内に申請しなかった場合は、10万円以下の過料を科される可能性があります。
また相続登記の義務化は、施行日前に相続した不動産にも適用されるため注意が必要です。
相続登記を終えていない不動産がある場合は、早めに手続きを進めておくようにしましょう。
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相続登記をする際は、登録免許税や書類の取得費、司法書士費用などがかかりますが、これらの費用は経費として計上できるのでしょうか。
ここからは、経費として計上できる項目と経費にならない項目の両方を解説します。
相続登記に伴い発生する費用は、譲渡所得や不動産所得を計算する際に経費として計上できます。
経費の額が大きくなるほど所得が減り、納める税金も小さくなるため、確定申告の際は忘れずに計上しましょう。
経費に計上できる相続登記費用は以下のとおりです。
登録免許税
相続登記をする際に法務局に支払う税金を登録免許税といいます。
相続する不動産の固定資産税評価額に0.4%をかけると、支払う税額がわかります。
たとえば、固定資産税評価額が3,500万円の不動産であれば、税額は「3,500万円×0.4%=14万円」です。
書類の取得費用
相続登記を申請する際には、戸籍謄本や固定資産評価証明書などさまざまな書類が必要です。
主に必要となる書類の種類と取得費用は以下のとおりです。
なお戸籍は、被相続人の出生から死亡までの分を取得する必要があり、一般的には4〜6通程度になることが多いようです。
上記のほかにも、不動産を相続する方の住民票や被相続人の住民票の除票なども取得する必要があります。
これら書類の取得費用も経費に含められるため、申告時は忘れずに計算しましょう。
司法書士費用
相続登記はご自身でもおこなえますが、手間がかかるため、司法書士に依頼する方がほとんどです。
手続きを司法書士に依頼する際は、登録免許税や書類の取得費に加えて、司法書士に支払う報酬も発生します。
報酬は依頼する司法書士事務所によって異なりますが、6万円〜7万円が相場と考えておきましょう。
相続関連の出費であっても、代償分割の費用や葬儀費用、係争費用は経費に算入できません。
相続登記費用が経費として計上できるのは、不動産の取得や利益に直接関係があるためです。
葬儀費用や係争費用は家事費として扱われるため、不動産の取得や利益には直接関係がありません。
また、代償分割の費用についても「所得税基本通達38-7」において、代償金は経費に算入されないと明記されてます。
不動産の取得や利益に直接関係しない費用は経費として認められないため、確定申告の際はご注意ください。
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相続登記費用を経費に含める際に注意したいのが、相続税の申告とは取り扱いが異なる点です。
親が亡くなり相続が発生したら、まず親の遺産がどのくらいあるかを調査する必要があります。
調査の結果、遺産のなかに借金や借入金といったマイナスの財産が含まれていることは珍しくありません。
このような場合は債務控除をおこない、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いて相続税を算出します。
なかには、相続登記費用も債務控除の対象になると考える方もいらっしゃいますが、相続登記費用は控除の対象外です。
債務控除の対象はあくまでも「被相続人の債務」であり、相続登記費用は債務には該当しません。
相続税の申告をご自身でおこなう場合は、相続登記費用を債務控除として差し引かないよう注意しましょう。
また、複数の不動産の相続登記をおこない、一部のみを売却する場合にも注意しなければならないことがあります。
このような場合は経費として計上する際に、土地と建物の評価を按分しなければなりません。
税金の申告は複雑な計算も多く専門知識も必要となるため、専門家に相談しながら手続きを進めると良いでしょう。
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土地や建物などの不動産を相続した方は、相続登記をして不動産の名義を変更しなければなりません。
その際にかかる登録免許税や書類の取得費用、司法書士報酬などは、申告時に経費として計上できます。
また、相続登記は2024年より義務化されるため、不動産を相続したら期限内に申請するようにしましょう。
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