2023-09-07
行方不明の状態が続くと、安否確認だけでなくさまざまな問題が発生します。
そのひとつが、土地や建物などの売却です。
名義人がいなくなってしまった場合、ほかの方が勝手に売ることは原則できません。
しかし、所定の手続きをおこなえば、売却が可能になります。
今回は、所有者や共有名義人が行方不明の不動産売却をテーマに、知っておきたい失踪宣告と不在者財産管理人について解説します。
大阪府大阪市東住吉区で、所有者が行方不明の不動産の売却を検討している方は、ぜひ参考になさってください。
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目次
まずは、行方不明者名義の不動産を売却する際に知っておきたい、失踪宣告について解説します。
失踪宣告とは、生死不明の者に対し、法律上死亡したものとみなされる制度のことです。
この手続きにより、行方不明者名義の不動産を売却することが可能になります。
失踪宣告には下記の2つの種類があるため、まずはどちらに該当するか調べてみてください。
普通失踪とは、死亡の原因となるような災難(自然災害や戦争など)がないのにも関わらず、7年以上生死がわからない場合に用いられる種類です。
申し立てが認められた場合、行方不明にになった日から7年が経過した日に、死亡したものとされます。
特別失踪(危難失踪)とは、自然災害や戦争など、死亡の原因となるような災難に遭遇し、行方不明になった際に用いられる種類です。
災難が去った1年後に失踪宣告を受けられます。
失踪宣告の申し立て方法は、下記のとおりです。
まずは、申し立てに必要な書類を準備します。
戸籍謄本や戸籍附票は、行方不明者の本籍地を管轄する、市役所などで取得が可能です。
いなくなったことがわかる資料は、捜索願いや、差し戻しされた行方不明者充ての手紙などが該当します。
申立人の利害関係を証明する書類は、戸籍謄本などです。
必要書類が準備できたら、いなくなった方の所在地がある地域の家庭裁判所に申し立てをおこないます。
利害関係のある方(配偶者や売却する不動産の相続人など)なら、委任状がなくても申し立てが可能です。
失踪宣告の確定後、10日以内に不在者の本籍地または申立人の所在地を管轄している、市役所へ失踪の届出が必要となります。
審判書謄本と確定証明書が主な必要書類ですが、追加で提出を求められることもあるので、市役所などに確認なさってください。
失踪宣告を受けると、離婚や不動産相続、保険金(死亡保険)の請求などが可能となります。
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続いて、所有者や共有名義人が行方不明の不動産の、売却方法について解説します。
失踪宣告が確定し失踪届を出し終えただけでは、名義が行方不明者のままなので、まだ売ることができません。
土地や建物などの不動産は、名義人でないと原則売ったり活用したりすることができないからです。
そのため、売却するためには相続登記の手続きをおこないます。
相続登記とは、不動産の名義を変更することです。
まずは、必要書類(登記申請書・被相続人の戸籍謄本または除籍謄本・相続人全員の戸籍謄本・相続人全員の住民表の写し・代理人が申請する場合は委任状)を揃えます。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書が必要です。
遺産分割協議書とは、誰がどの財産をどのくらいの割合で取得するのか、協議した内容をまとめた書類です。
必要書類が揃ったら、法務局にて手続きをおこないます。
書類に不備がなければ、後日法務局から登記識別情報通知書や完了書が届き、相続登記の完了です。
相続登記によって名義変更がおこなわれると、土地や建物を売り出すことが可能となります。
行方不明者が発見された場合は、失踪宣告の取り消しを申し立てることが可能です。
ただし、取り消ししたあとは、いなくなる前の状態にする必要があります。
不動産も行方不明者に戻さなくてはなりませんが、売却してしまった分は、戻す必要がありません。
共有名義人が行方不明の場合、不動産の売却をスムーズに進めるため、2023年4月1日から下記の制度が利用できることになりました。
ひとつ目の共有持分を取得する方法は、裁判所に共有持分の買取を認めてもらうことです。
買取代金は裁判所が決定し、お金は法務局に預けます。
ふたつ目は、裁判所に不動産全体を売却する権限をもらう方法です。
この方法を用いれば、共有名義人がいなくなってしまっても、不動産全体の売却が可能になります。
ただし、裁判所はあくまでも売却の権限を与えるだけなので、売却活動はご自身でおこなわなくてはなりません。
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最後に、行方不明者名義の不動産の売却で選任される、不在者財産管理人について解説します。
不在者財産管理人とは、行方不明者の代わりに、財産を管理する方のことです。
選任すれば、行方不明者名義の土地や建を売ることができます。
不在者財産管理人を選任する流れは、下記のとおりです。
まずは、不在者財産管理人にふさわしい方を選びます。
配偶者や相続人といった利害関係のある方ではなく、第三者が選任されるのが一般的です。
弁護士などの専門家を候補にすることも可能ですが、その分費用がかかります。
ただし、誰かが勝手に選任してくれるわけではなく申し立てをおこなわなければならなりません。
候補者が決まったら、行方不明者の所在地を管轄する家庭裁判所に選任の申し立てをおこないます。
必要書類には、申立書や行方不明者の戸籍謄本(全部事項証明書)、行方不明者の戸籍附票や不在者財産管理人の住民票などが必要です。
また、いなくなったことがわかる資料や、行方不明者の財産がわかる資料、利害関係を証明する書類も準備します。
選任されたあとは、権限外行為の許可を家庭裁判所からもらえば、不動産売却が可能になります。
権限外行為の許可を得られない場合、不動産売却ができないので注意が必要です。
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不動産の所有者や共有名義人が行方不明の場合、そのまま放置しても、維持管理や税金の負担が重くのしかかってきます。
そのため、失踪宣告や不在者財産管理人を選任し、早めに売却するのがおすすめです。
共有名義人がいなくなってしまった場合は、裁判所から共有持分の取得や不動産全体を売却する権限を取得すれば、売却が可能になります。
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